読書

【読書】瀬尾まいこ「夜明けのすべて」

久々に小説読みたい気分で、瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」を読んだ。 夜明けのすべて 作者:瀬尾まいこ 水鈴社 Amazon 瀬尾まいこさんの本は、前に「そして、バトンは渡された」を読んですごくよかったのを覚えていて。 いじわるなことがない、心優しい…

【読書】治部れんげ、田中東子、浜田敬子ほか「いいね!ボタンを押す前に――ジェンダーから見るネット空間とメディア」

ジェンダー関連でいろいろなことがあちこちで燃えているネット空間とメディアを見ていて、なんだかなあと思う部分と、でもそのおかげで議論が進んで、変な差別発言する人はしっかり指摘されて、昔よりよくなっていることもあるなと思いながら、付き合い方を…

【読書】田房永子 「男の子の育て方」を真剣に考えたら夫とのセックスが週3回になりました

この本はタイトルがなんかキャッチーでお茶の間な感じ(?)だけれど、 本の内容は個人的には、 固定的なジェンダー役割と偏見と、性暴力、そして夫や家族との(変わりゆく)関係性…等々 に関する深い内省と分析だと思いました。 田房さんはお子さんが2人で、上…

2022年に読んだ本 おすすめ10選!

上野千鶴子・鈴木涼美「限界から始まるー往復書簡」 山崎ナオコーラ「ブスの自信の持ち方」 岩井建樹「この顔と生きるということ」 松田青子「自分で名付ける」 朝井リョウ「正欲」 マット・ヘイグ「ミッドナイトライブラリー」 シンジア・アルッザ他 「99%…

【読書】山崎ナオコーラ「ブスの自信の持ち方」

タイトルとか表紙がなんとなく軽快な雰囲気だけれど、すごく深い思索と考察がなされている、哲学書っぽい本。 著者も書いてるように、自信の持ち方の指南本ではなく、ルッキズムとかジェンダー、障害、多様性について深く考えさせられる本でした。 一つ一つ…

【読書】 ゲルノット・ワグナー & マーティン・ワイツマン「気候変動クライシス」

ゲルノット・ワグナー(ハーバード大学工学・応用科学リサーチ・アソシエイト、同大学環境科学・公共政策レクチャラー)と、マーティン・ワイツマン(ハーバード大学経済学教授)という二人の経済学者による気候変動に関する本。 気候変動クライシス 作者:ゲ…

【読書】 安田陽「世界の再生可能エネルギーと電力システム [経済・政策編]」

大雨、洪水、サイクロン、干ばつ、砂漠化、そしてバッタ襲来等の自然災害の脅威を受けまくるアフリカで、気候変動課題のことを考えると、今後世界はどうなっていくのかと心配がむくむくと膨らんでいく。 気候変動はすべての社会課題に繋がっている。 そんな…

【読書】 チョ・ナムジュ「82年生まれ、キム・ジヨン」

既に超有名でとても広く読まれているのでいまさらオススメというわけでもないけれど、私も読んだので。 82年生まれ、キム・ジヨン 作者:チョ・ナムジュ 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/02/13 メディア: Kindle版 一人の女性の人生が淡々と描かれて…

【読書】ジェーン・スー他 「私がオバさんになったよ」

いろいろおもしろい、ジェーン・スーさんの本をまた。 私がオバさんになったよ (幻冬舎単行本) 作者:ジェーン・スー,光浦靖子,山内マリコ,中野信子,田中俊之,海野つなみ,宇多丸,酒井順子,能町みね子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2019/03/13 メディア: K…

【読書】 植本一子 「かなわない」「家族最後の日」「降伏の記録」

ある時「かなわない」のレビューを何かで読んで、ふむ、とポチって読み始めたら、三部作一気に読んでしまった、どっぷりつかってしまった読書体験。 かなわない 作者:植本一子 出版社/メーカー: タバブックス 発売日: 2016/02/05 メディア: 単行本 植本一子…

【読書】 佐久間裕美子「My Little New York Times」

NY在住ライターの佐久間裕美子さんが2017年7月5日から365日書き続けた日記がまとめられている本。 2017年と言うと、その年の頭にトランプ大統領が就任したので、その後の激動のアメリカの暗かったり、不安だったり、でも変わらないところとかも、とても興味…

【読書】 ジェーン・スー&中野信子 「女に生まれてモヤってる!」

モヤることはモヤってるし、でも常にモヤっているわけではないしモヤりに支配されないよう、モヤってるのを自分で無視しながら折り合いをつけて生きていくのだけれど、でもそれを少しだけでもすっきりさせるものがあるのなら、それはライフハックとして活用…

【読書】 イ・ミンギョン「私たちにはことばが必要だ」

生きているといろいろな状況に出くわすけれど、その中で特に、男女差別の発言をぶつけられた時にそれに対応する(かしないか)には「言葉が必要」で、どういった対応がありえるのか、とわかりやすく書かれている本。 私たちにはことばが必要だ フェミニスト…

【読書】 Nadia Murad "The Last Girl"

IS(いわゆるイスラム国)に家族を殺され、自身は性奴隷として拘束され、逃げ延びた後に人権活動家として働いている功績で2018年ノーベル賞を受賞した、ナディア・ムラドさんの自伝。 The Last Girl: My Story of Captivity, and My Fight Against the Islam…

【読書】荒川和久「超ソロ社会「独身大国・日本」の衝撃」

この記事をたまたま見かけて、タイトルからしてなんとなく納得してしまって、読んで「やはり…」となりました。 引用 最近の男子が草食化したわけではないんです。いつの時代も男はそんなもんです。いわゆる肉食系男子とか、モテたり恋愛できたりする男は3割…

【読書】 中村淳彦「東京貧困女子。」

読んでて心の底から暗くなるけれど、今を生きる日本人/日本で住む人たちはこういう現実があること、しかも「すぐそばに」あることを知った方がいいと思うから、読んでよかったし、読むべきだったし、すべての人におすすめしたい本。 東京貧困女子。―彼女た…

【読書】ハンス・ロスリング 「ファクトフルネス」

基本的には世界のデータをきちんと見れば、大抵の指標で大幅に改善がみられているのに、それでも知識層含む多くの人が、世界は悪くなっていると思ってしまっている。 その背景には、メディアの報じ方や、あまり可能性の低いことに必要以上に恐怖を持ってしま…

【読書】 ダウド・ハリ「ダルフールの通訳:ジェノサイドの目撃者」

生き延びているから伝記を書いているに決まっているのだけれども、それでも 「え、これはもう助からないのではないか」 と何度も思ってしまうほど、ぎりぎりのところを生きてきたスーダン人のお話を読みました。 ダルフールの通訳 ジェノサイドの目撃者 作者…

【読書】村上春樹 「遠い太鼓」

ウガンダから離任された方が残されていった日本語の古本を回りまわっていただく機会があって、その中に一冊だけあった村上春樹の本、「遠い太鼓」を読みました。 遠い太鼓 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/11/27 メディア…

【読書】 マーティ・O・レイニー「内向型を強みにする」

内向型・・・ うん、強みにしたい! と単純に思いKindleストアでぽちり。 内向型を強みにする 出版社/メーカー: パンローリング株式会社 発売日: 2013/06/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (5件) を見る 最初から、内向型である著者のいろいろな…

【読書】 杉江弘 「乗ってはいけない航空会社」

Kindleストアでなんかいいのないかなー、と探していたら目について読んでみた本がかなり興味深くいろいろ考えたので紹介します。 乗ってはいけない航空会社 作者: 杉江弘 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2016/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブロ…

【読書】 プク・ダムスゴー「ISの人質」(山田美明 訳)

こういう仕事だと赴任の前にも着いてからも、そして出張に行った各地で安全管理の説明を受け、ことあるごとに「気を付けて!」リマインドされるのですが、 この前はさらにもう一歩上のレベルで実習を織り交ぜた五日間の安全管理トレーニングに参加するために…

【読書】 米川正子 「あやつられる難民――政府、国連、NGOのはざまで」

難民問題、大学院の専門とはちょっと違うけど勉強しなきゃと思っており、この本を読むことにしました。 あやつられる難民 ──政府、国連、NGOのはざまで (ちくま新書) 作者: 米川正子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/02/24 メディア: Kindle版 こ…

【読書】 伊藤詩織 「Black Box」

伊藤詩織さんによる、元TBS記者の山口敬之氏から受けた強姦被害の前後についてと、 こういったことが「どう起こらないようにするか」 「起こってしまった場合、どうしたら助けを得ることができるのか」 を語った手記、Black Boxを読みました。 Black Box (文…

【読書】 前野ウルド浩太郎 「バッタを倒しにアフリカへ」

「人類を救う為、そして、自身の夢を叶えるために、若い博士が単身サハラ砂漠に乗り込み、バッタと大人の事情を相手に繰り広げたし等の日々を綴った一冊」 という紹介を読んだだけでおもしろいし、やっぱりすごくおもしろかった本です。 バッタを倒しにアフ…

【読書】 中満泉 「危機の現場に立つ」

今をときめく先人の自伝を読んでインスパイアされようと、中満泉さんの本を読みました。 危機の現場に立つ 作者: 中満泉 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 最近発売された本で、著書の中満泉さん…

【読書】 クリストファー・マクドゥーガル 「Born to Run」(訳:近藤隆文)

未知の世界で活躍する人のすごさに触れ、圧倒されながら、私もがんばらねば、と思わされる本を読みました。 BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族” 作者: クリストファー・マクドゥーガル 出版社/メーカー: NHK…

【読書】 服部正也 「ルワンダ中央銀行総裁日記」

学生時代の先輩で今は開発コンサルで活躍されているRさんより「開発分野の本なら!」とオススメ頂いて読みました。 ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書) 作者: 服部正也 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/07/11 メディア: Kindle版 こ…

【読書】  高橋和夫「中東から世界が崩れる」

中東関係、未だに難しくてよくわからない… とはいえ、国際関係の修士号取ったのにずっとそう言っているわけにもいかないので、カメルーンでの「読書の夏」を存分に楽しんでいるこの機会に、読みました。 中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビア…