エチオピア #1 仕事後の一杯、宗教、そして踊り
仕事でエチオピアも担当しているので、ウガンダからちょくちょく出張します。
プロジェクトを実施しているのは、南スーダンからの難民がたくさん流入しているガンベラ州という場所。大半をここで過ごします。
国際機関が集まっている首都アディスアババとは全然違う雰囲気。
地域の水衛生環境向上へも取り組む
今回の出張の最大の目的のワークショップがうまく終わって、その夜は事務所での夕食会に参加させてもらいました。事務所の中庭にプラスチックの椅子を並べて、夜空を眺めながらの宴です。
こういう難民キャンプがあるような緊急支援の分野の最前線の事務所というのもあって、スタッフは若者の単身が大部分を占めています。また周りにレストランがあるような環境でもないため、朝昼はみんな事務所内のキッチンで作ったごはんを食べるということ。それでこういう夜の会も時々あったりするから、事務所が家族みたい。
周りが暗かったのでよく見えなかったものの、用意してくれたごはんとてもおいしかったです。
テフという穀物の粉末を水とまぜて、クレープみたいに焼いたものです。
味はふかふかした酸っぱいクレープみたいな感じで、結構特殊な食べ物なので、フィールドでこれを毎日毎食食べていたらさすがに飽きるのでは、と思っていたのですが、そして本当に毎食食べたのですが、意外に飽きない。主食のパワー。
ランチの時の写真。インジェラをちぎって具を巻いて、そのまま手で食べます
あと、ビールが凍っていた。
これまでの人生でもビールは結構飲み続けてきたけれど、凍ったビールを飲むのは初めて。まだまだ初めてのことってありますね。
エチオピアもいろいろ地ビールがあるけれど、この Dashen というのが私は好きです。
この写真で何が言いたいかと言うと、とても暗かったということです。
でも夜って暗いよね、ということを思い出させてくれる。星がきれい。
こうして宴もたけなわ、他の人がスピーチしてる間に、隣に座っていた同僚に、日本ではどの宗教をみんな信じているのか?と聞かれました。
この話、海外にいるとよく聞かれるけれど、あまり単純に答えられないから長くなっちゃうのですよね。声が聞こえにくい状況でコソコソ話すの難しい・・・
(英語のコソコソ声って、本当に聞きずらいと思いませんか?たぶん日本語より英語能力の方が低いというだけでなくて、英語ってアクセントや高低が多々ある言語だから難しいのではという仮説。)
で、基本的には日本人はそんなに宗教熱心じゃない、でもいろいろなイベントで宗教は関連するし、何かに祈る気持ちはあるし、信仰心がないわけではない(すごくざっくり)という私見を述べました。
そしたら、その同僚(敬虔なキリスト教徒)が、「宗教にそこまで熱心じゃない国の方が発展しているよね」というわけです。
これは、大きなテーマ・・・(いよいよコソコソ話ではむずかしい)
国際関係学の大学院にも行ったのにまだまだ本当に、なんで途上国と先進国の発展の溝はこんなにもずっと埋まらないのか、と折に触れては思います。
子どものころ、アフリカの子供たちの窮状を知った時は、でも世界はどんどん発展しているのだからアフリカもすぐに発展するだろう、と思ったのを覚えていますが、でも差はまったく縮まらず。もちろん、最貧困ライン以下で生活する人の割合は減ってたり、健康状態的には向上したりはあるものの、持続可能な経済発展の意味では、まだ気が遠くなるほど進んでいません。
「本当になんで????」と定期的に思い、
やっぱりなにか経済発展を阻むような文化・慣習なのか、とか
それには宗教が関連しているのか、とか
地理とか気候が関係しているのか、とか
やっぱり考えるわけで、そしてこういう私でも思いつくようなことは、歴史上様々な国際関係学者も考え尽くしてきたわけです。でも明確な答えはでない。
それ系の本で最近影響力大きい(私も大学院の授業で読んだ)のは、アセモグルとロビンソンの Why Nations Fail で、私もこれからかなり影響を受けました。
その本が言うのは、上記の要素は結局関係なく、国家の盛衰を決定づけるものは政治・経済上の「制度」であるということ。国のリーダーや政治家が腐敗していたらやっぱり発展できない。
Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty
- 作者: Daron Acemoglu,James Robinson
- 出版社/メーカー: Crown Business
- 発売日: 2012/03/20
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(この本については、また書くと長くなるのでいつかできたら別途ブログ記事にします。)
でも、「政府のせいだから」なんて言われても、その政府の下で生きている国民にとっては行き場がない切なさが募るだけですよね。それに、政府のせいでいろいろうまくいかないのはみんな気づいているし。
というわけでモヤモヤと国のことを憂う話となりました。
そうして少し憂いた後にはやっぱりダンスタイム。
エチオピアのいろいろな地域の伝統的なリズムに合わせて、みんな踊ります。私も真似して踊って(揺れて?)楽しかったです。
音楽が流れるとつい踊っちゃうこういう感じ、好きです。
こうしてエチオピアでの夜は更けていきました。
おわり