エチオピア #2 厳戒態勢、エチオピア正教、リップグロスの墓場
エチオピアって、 本当にいろいろ独特で知るたび魅力を感じます。
いろいろな面でなのですが、エチオピアはアフリカの中で(イタリアの一時的な統治を除いて)唯一独立を貫いた国であったり、独自の文字(アムハラ)を持っていたり、年月や時間の数え方が他の世界と違ったり、独自のファスティングを実践していたり。 主食のインジェラとかも。
エチオピアの独特さについては、@takahashi126 さんが書かれたこの記事がとてもわかりやすいです。
そしてこれら文化・慣習の大半が、エチオピアの Orthodox Christian(エチオピア正教)に関連しています。エチオピアで独自に発展したキリスト教の一派で、エチオピアでは過半数(Wikiによれば約63%)が信仰しています。
エチオピアでのプロジェクトの同僚ムレも敬虔なエチオピア正教信者です。
ムレは前回来たときに書いたブログでも宗教の話をしてくれた人として登場しました。
実はこの前、私が担当している4ヶ国またがるプロジェクトの各国の担当者をウガンダに集め、4ヶ国のコーディネーション会議を行ったのですが、最終日の夕食はお肉食べ放題のお店を予約していたのです(いらないって言うまで永遠にシュラスコみたいなお肉をサーブしてくれるお店)。
それでベジタリアンいないか参加者に聞いた時、ムレが「その日はベジタリアン笑」って言って、しかし私は冗談だと思っちゃったんですが(笑いながら言ったのと、ファスティングの時期は終わっていたから)、実際レストランに行ってみると本当にその日は動物性のものが食べられないとのこと。ファスティングの期間でなくても、水曜と金曜は動物関連食べちゃいけなかったのです。(卵やミルクもだめ)
もう一人エチオピアから来た同僚(その人も同じ名前でムレ)もそうで、2人に「えー!冗談だと思っちゃったよ!ベジタリアンいないね、って私言った時に訂正してくれたらよかったのに!」と言ったら、「それが理由でレストラン変えてほしくなかったから」と言ってくれたのですが、失敗・・・久々の大きなカルチャーショックでした。
それで今度は私がエチオピアに出張で来て、たまたま首都アディスにいる間に、マスカル・フェスティバルという祝日がかぶって、その前夜祭が事務所のすぐ近くで行われるのでムレと一緒に見に行きました。(もちろん安全そうであることは事前確認して!)
大さっぱな理解ですが、ジーザスが磔にされた十字架 "true cross" の発見を祝う祝日だそうです。
お祭りなのでエチオピアカラーの服を着るムレ
その会場の Meskel Square に歩いて行く途中、セキュリティがすごく厳しくて、水のペットボトルはもちろん、リップグロスみたいなものも持ち込み禁止されていて、私の日本から持ってきたやつも泣く泣くリップグロスの墓場(大量に捨てられていた)みたいなところに捨てる羽目になりました。シャネルのリップグロス持っていかなくてよかった。(もともと持っていないけれど)
ちなみにペンもだめです。尖っていますからね。
そして3カ所目のセキュリティチェックポイントで、なんとムレのかわいいエチオピアンカラーの服がだめと言われました。
祝日でエチオピア国旗色の服を着て何が悪いの!?と驚いたら、エチオピアの正式な国旗は星のエンブレムがついたもので、これがついてないからだめとのことです。
なぜかというと、これには深い背景が・・・
というのは、もともとは赤黄緑だけの旗がどこでも使われていたものの、政府がこの星を入れることを推奨し始め、しかし国民は必ずしもそれに従わなかったところ2009年に星が入っていない旗の使用は法律で禁止されたそうです。違反すると、「5,000 birr(約2万円)の罰金か最長1年半の懲役」のペナルティが課せられるとのこと。
ふーむ。
それで足元を見たら、そこには赤黄緑のブレスレットやリボンの墓場が・・・
この色のキャップを被ったおじいちゃんも入場できなくて、帰り道残念そうにブツブツつぶやいててかわいそうでした。
でもまあしょうがないね、と言ってムレと別れ、ホテルに戻ってテレビで中継で見ました。
ふむふむ、こんな感じなのね
あ!この人も星なしの赤黄緑じゃない!?
あ、背中に星があるからいいのか・・・
クライマックス、これがきっと True Cross
しかし宗教のことだけでなく、今のエチオピアの治安コントロールの一端も見えた気がして、興味深い経験でした。
知れば知るほど深いエチオピア、またブログに登場すると思います。
終