20代、民間企業で働いていたときのこと

  

時々何か思ったことが溜まったり、頭を整理したかったり、もしくは人に言うほどでもないけどなんか書きたい!みたいな時に、文法とか誤字とか何も気にせずにバババババーッと打ち込みまくる日記(?)があります。

だから私が何か不慮の事故にあったりしてもこれを削除するまで死ねない

 

それでさっきたまたまふと2012~2013年頃のを読んでみたら、まあ恥ずかしくてすごい細目でしか見られないのですが、でも少しおもしろい。所詮私も小さな自意識が首をもたげて、昔の自分におもしろみを感じてしまうのです。

 

その頃は鉄鋼商社で働き始めて3~4年目、何がそんなに忙しかったのか謎なほど仕事に追われていてやってもやっても終わらない、でも飲み会にもいろいろ行ってたくさん飲む、そして終電で帰ってまた次の日は朝から夜まで働く、みたいな時代でした。

20代半ば。

 

 

そこに書いてあったどうでもいい話の一つ。

 

どうやらその時わたしは髪をばっさり切ったみたいで、

仕事後たまたま部の飲み会で、

 

上司Aさんに「取引先Bさんに髪切ったこと何か言われた?」と聞かれ、「いや、特に・・・」となった後、

先輩Cさんに「先輩Dさんに髪切ったこと何か言われた?」と聞かれ、「いや、特に・・・」となり、

その後Dさんに「上司Aさんに髪切ったこと何か言われた?」と聞かれ、「いや、特に・・・(あれは何か言われたうちに入るのか?)」となった

 

という話。

 

なぜみんな、自分から何か言わないで誰かに何か言われたか、って聞き方でからむの。そして、冗談でも「髪切ってかわいいね」なんて口が裂けても言わないんですよ。

 

この、なんでもない具体的なエピソードがすっごく当時の働く環境を表してたなーという。

男性社会で女性営業職があんまりいなかったから、扱いに試行錯誤があった感じもあり、かと言って私もほんのりしたOLタイプでも全然なく、応援部出身のすごく上からきつく言ってくる先輩が指導担当で、でも言われっぱなしではなくいろいろ生意気だったりしたから、別にその会社でいう伝統的な「女性社員」として扱われるわけでもなく、とはいえセクハラはしないようには絶対気をつけなくてはいけないとみんな思っているっぽい、という。

 

髪切ったってこと言うだけでセクハラになる、みたいなことが大きな声で叫ばれて久しい時期でしたしね。そうやってある一言切り取ってそれがセクハラ、というよりその以前の関係性の方が問題だと思いますが、「なんか生きにくい世の中になったものよ」と大声で言いたい人がそういう発言を切り取るんだろうな、と思ってます。

それ以外にも前の会社や産業のことは今ジェンダー的視点から見ると本当にいろいろ思うけれど、その環境では、男性営業職を女性一般職が支えるという構造が何十年もあったし今もそうなんですよね。うちの会社は、一般職の人を「女性」って呼ぶような環境だったんです。「それは“女性”に手続きお願いして」みたいな。そういう風土で、女性営業職で、「いや、私も女性だし…」みたいなことはよくありました。

そういうことひっくるめた環境で居心地がいい人はそれがいいし、居心地が良くない人はたぶん辞めていくという。いろいろあるけれどそれはここでは置いておいて。

 

話を戻すと、その回りくどいやりとりがあったことだけ書いてて感想とか書いてないからどう思ったのかは忘れたけれど、でもたぶんちょっとおもしろかった(しかし他の人に言ってもあんまり意味がわからない話だ)から書いたんだと思います。

鉄鋼関連だから男性社会かつ体育会系だったものの、貿易の部署だし商材がステンレスだし、そういう意味で(※)、まあわりと自由でも受け入れてもOKという感じが気に入っていました。


※どういう意味なのか、って感じなんですが、鉄鋼産業ってやはり大きいところは建設とか船とかがっつり大きな鉄を出すところで、一方でステンレスは、例えば精密機械用とかニッチかつ高品質のものを高く売る、という感じで少し雰囲気違うし、しかも「ステンレス・スチール=錆びにくい鉄」なのでなんかちょっと綺麗みたいな偏見?(私が言ってるだけか…)があるのです。かつ、お客さんが海外だから、国内での重要な仕事は仕入先(鉄鋼メーカー)との折衝で、まあこれが大変なんですけどそこは割愛。要は、ステンレス×貿易だとあまりにもガチガチな「建設会社のおっちゃんと毎晩飲み歩く」みたいな感じではないということなのです。

 

 

あと、それとは別の日の日記で、取引先やお客さんも一緒に集まる地方出張でしこたま飲んだ後、少し酔っぱらった部長が

「長く続けてよ!」

って言ってくださったことも日記に書いてあった。

続けると言うのはその仕事だったり会社だったり、というのが感じ取れたのだけど、その頃はちょうど大学院留学するために会社を来年には辞めるかな、と思っていた時期だったのでちょっと複雑に受け取ったし、部長も少しその気配を感じてたのかもとも思ってしんみりしたり。

 

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出張ではよくスウェーデンに。スウェーデンの強いお酒、アクアビット。

 

 

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チェコはたしか2回。ピルスナービール

 

 

とはいえその部長さんは、その後大学院に出願する時の推薦状お願いさせていただいたり、私がNYで勉強しているのと同じ時期にシカゴ転勤になったので、NYご出張時会ったり、私もシカゴに遊びに行ってボートで川下りしたりと引き続きお世話になっていて、この前も年末だからたまたま二人とも日本にいたのでお好み焼きごちそうになりました。

若いころの会社の上司って、家族とも親戚とも友達とも学生時代の先輩とか先生とかともまた違う、でも一時期頻繁に顔を合わせお世話になった関係なので特別で、引き続きご連絡できてるのはありがたいことです。

 

 

まあ、会社員の時は嫌なことやキャパぎりぎりなこともたくさんあったから(そして日記の中では結構な割合でプンプン怒っているんですが笑)、すべて思い出を正当化できないですが、でも振り返って基本的には良い時代だったな、と。

たくさん飲みに行ったな、仕事関連の人とも、同期とも、友達とも。たくさん酔っぱらったし、合コンとかも行ったり。

仕事でもプライベートでも、初めての人に会うとドキドキして楽しかったな。 とちょっと振り返りました。

当時の話がお酒の話と切っても切り離せないのは、ほんと時々しか飲まない生活になった今振り返ると「飲んでばっかだな」と単純に思ったからです。。。

 

さて、また5年後とかに、私は今の時代を「なんだかんだ楽しかったなあ」と振り返られるのだろうか?

というか、そう振り返れるように、毎日積み重ねていかねば。

 

おわり