【読書】田房永子 「男の子の育て方」を真剣に考えたら夫とのセックスが週3回になりました

 

この本はタイトルがなんかキャッチーでお茶の間な感じ(?)だけれど、

本の内容は個人的には、

 

固定的なジェンダー役割と偏見と、性暴力、そして夫や家族との(変わりゆく)関係性…等々

 

に関する深い内省と分析だと思いました。

 

 

田房さんはお子さんが2人で、上が女の子、そして新しく下に男の子が産まれたことをきっかけに、自分の中の男性嫌悪について気づいていくというお話があって、それにはこれまでの男性との関わりで染みついた意識がいろいろとあって、なるほどなーと。

 

同時に、女性嫌悪ミソジニー)もしっかり存在していて、それはいつか上野千鶴子さんも言ってたけど、いくら女性でフェミニストだったとしても、ミソジニーだらけの世の中で生まれ育っていたらミソジニーから自由になるのは無理なのだと感じさせられる。

 

 

でもいろいろあって、最後、「男心」や「男のかわいさ」を意識していくというのも、なんだかあもしろいのだけれど、でもそれは若い女性たちがモテのためにやるようなものではなく、自身の男性観の均衡を調整するために、言わば社会的実験のようにやっているのだし、その後の結果も興味深かったです。

 

 

 

 

 

田房永子さんの本は、これまでに別のもいろいろと読んできて、漫画の場合でも、ただ徒然なエッセイが断片的に連なって描かれているのではなくて、ちゃんと一冊の中の第一話から最終話に向けて考えや分析がなされて深まって結論に辿り着く作品となっているのが印象的。

 

だから、一人の物事をすごく深く考える人が、毎日いろいろ考えた思考の経過を一緒に辿らせてもらえるという感じでおもしろい。

 

(しかも自分にも関係の深い生活の話だからとても考えさせられる。)

 

田房さんの行動や考えを生々しく描いていてくれるから、考え方が違うところとか、なんでそうしちゃったの?って思うところも含めて(悩んだ時に変な占い師に聞きに行くとことか)、いろいろ思いを馳せながら読めます。

 

 

 

こちらもそういう感じでいろいろと考えさせられたのでおすすめです!